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ナチュラル?ウォッシュド??コーヒー豆の精製について

写真は店頭のコーヒーの木から今年収穫したコーヒーチェリーです。

「○○ナチュラル」とか「○○ハニー」など、コーヒーの銘柄でなんとなく聞いたことがあるかと思います。それはいったいなんなのか???ここではコーヒーの基本的な精製方法を簡単にご紹介します。精製方法によって個性も変わってくるので、ぜひコーヒー豆選びの参考にしてみてくださいね♪<各豆の詳細に精製方法の記載を追加しました!>

ナチュラルプロセス

完熟したコーヒーチェリーを、収穫した実のまま乾燥棚に広げて2週間から1ヶ月程度、長いものでは40〜45日をかけて混ぜながら乾燥させ、完全に乾いてから果実を取り除く昔ながらの精製方法です。

果実をつけたまま乾燥させることで、フルーティーなフレーバーや品種ならではの個性が楽しめることが大きな特徴です。ただ、精製過程でのカビのリスクなどもあることから、気温が高い・日差しが強い・水源に乏しいといった特徴をもつエリアで用いられることが多いようです。

ウォッシュドプロセス

完熟チェリーを収穫してすぐに果肉を除去。水に浸して発酵させ、撹拌を繰り返してミューシレージ(コーヒー豆のまわりのヌメヌメ部分)を取り除きます。すすぎ洗いを経てきれいになった豆を乾燥棚などに広げ、天日または機械で乾燥させます。軽やかでクリーンな味わいが特徴です。

コーヒーの実を取り除くと豆の周りにはヌメヌメとした膜が残ります。これがミューシレージです

ヌメヌメをきれいに洗い流すと見慣れた豆の形がでてきます。

いいトコ取り?!のハニープロセス

ナチュラルプロセスとウォッシュドプロセスのちょうど間をとった様な精製方法です。果肉(皮)を取り除き、ミューシレージはそのままにして乾燥させます。(ヌメヌメが蜂蜜に似ていることからハニーと名付けられたそうです)また、最終的に豆に残す果実の量によって色に分類されています。その名前のとおり、生豆には少し色が残っているのが特徴です。コーヒーチェリーの個性やフルーティーさを残しつつ、ウォッシュドほど水を大量に使わないといういいトコ取りのような精製方法といってもいいかもしれませんね。

■ブラックハニー:糖度の高いチェリーをほとんどそのままで日陰でじっくり乾燥させます。ワインに例えられるほど、より濃厚なボディでベリー系の深い味わい。やや黒ずんだパーチメント(豆の外側の皮)が目立ちます。

■レッドハニー:ほぼ100%の果実を残したチェリーを日陰でゆっくり乾燥。しっかりとした風味、フルーティーなフレーバーが感じられます。その名の通り、生豆には赤みのあるパーチメントが混ざっています。

■イエローハニー:約50%の実を残し、1週間程度の天日乾燥をします。フルーティーさもあり、ややナチュラルよりの柔らかい味わい。生豆は黄色ががったパーチメントが残されています。

■ホワイトハニー:実の部分が少なく、天日乾燥を行います。ウォッシュドに近く、さっぱりとした爽やかな味わいが特徴です。生豆には白っぽいパーチメントがわずかに残っています。

写真はエルサルバドル:パカマラ・レッドハニー。赤っぽい皮がついているのがわかります。

インドネシア独自のスマトラ式

インドネシア独自に古くから取り入れられてきたのがスマトラ式です。その名の通りインドネシアのスマトラ島で生まれた精製方法で、通常は乾燥させてから脱穀しますが、完全に乾燥する前に脱穀するのが特徴です。生豆は緑ががった独特な色合いで、濃厚でスパイシーな風味が味わえます。

精製手順を簡単に並べると<収穫→水につける→果肉除去→ミューシレージ除去→予備乾燥→脱穀→本乾燥>といった感じです。

また、他の生産地では収穫した実を精製場などに集めて精製することがほとんどですが、スマトラ式では予備乾燥まで農家さんが行っています。各乾燥工程を短縮しながら品質管理できる雨が多い地域ならではの工夫ですね。難点としては、まだ柔らかい半乾き状態で脱穀するため生豆が割れたり傷がついてしまうことも。そのため、より丁寧で繊細な生産管理が求められます。

写真はインドネシア:カロシ・トラジャ(スマトラ式セミウォッシュド)少し緑がかった豆です。

主な精製方法をご紹介しましたが、他にも「パルブドナチュラル」「セミウォッシュド」「アナエロビック(嫌気性発酵)」など様々な精製方法があります。いずれの方法でも、カビが生えたりしないように毎日かき混ぜる必要がありますし、出荷されるまでには豆の大きさを仕分けする「スクリーニング」をしたり、欠点豆を除去する「ハンドピック」を繰り返して行ったりと、と〜っても手間隙がかかるコーヒーの精製。生産者の方々には改めて脱帽の思いですね。大切に育てて丁寧に出荷してくださった方々への感謝を込めつつ、これからも皆様に美味しいコーヒーをお届けしていきます!